カモにネギ

なふんとこあら。。

 私の趣味は買い物です。洋服や小物をお店に見に行くのがとても楽しくて、仕事のストレスがたまっているときなんて衝動買いをよくしてました。1人暮らしの時はお給料に余裕があったので、1ヶ月に1回ショッピングに行ってよく買い物をしてたものです。しかし、主婦になった今、私のお小遣いは20000円。洋服1着分くらいの値段です。
 いつもよく行くお店から「お得意さまだけの30パーセントOFF」というハガキがきました。世はボーナス真っ盛り、もうすぐやってくる楽しいバーゲンの時期です。そのハガキがきたことが嬉しくて「お得意様だけのバーゲンなんだよ」とだんなさまに報告しました。そんなだんなさまが一言。「カモにネギ」
 カモにネギ?はて?なんですか、それは。まあ、いいや。そして更にだんなさまに、「お得意様に選ばれたんだよ。このお店ってなかなか1番すごいお客様ポイントカードをくれないんだけど、3回くらい買い物したらくれたんだよね。えへ。すごいでしょ。新作とかもすぐ紹介してくれるし、服装も褒めてくれるの」意気揚々と言う私にまた一言。「カモにネギ」意味が分からんと思い聞いてみると、「カモがネギをしょってるの。鴨鍋にネギはつきものって事」うーん、わからん。どういうことか更に聞いてみると、カモがネギをしょって「食べて、食べて」とアピールするがごとく、ちょっと褒めるとその気になって、お金をしょってる私が相手の口の中に自分から飛び込んでいっているとのことでした。ええ?そうなの?心から褒められてるのかと思ってた。でも自分が好きな分野で褒められるのは嬉しいこと。そして、私にはもう二つ弱い言葉があります。「これ最後の1枚なんですよ」「これ限定品なんですよ」こう言われると間違いなく買います。ああ、こうやって文章にすると「カモにネギ」という言葉の意味がわかってきた。カモでも何でもいいんです。楽しいんです、幸せなのです。そんな私の気持ちを分かっているのか、だんなさまが「僕のおこづかいから買ってもいいよ。クリスマスプレゼント」
 何かやましいことでもあるのでしょうか。それともこうやってネットで何も買ってくれないんだあと、ちょくちょく叫んでいるからでしょうか。聞いたこともないセリフを言いました。「いいよ、僕のおこづかい使って。好きなのを買って。一緒にお店行ってあげるよ」
 いかにたくさんの洋服を買うか考えてました。どこからそのお金を調達しようか日々家計簿とにらめっこしてました。そして自分のことばかり考えてました。前は自由なお金でたくさん買って1人でにんまりしてたけど、今はたくさんは買えないけど、一生懸命おしゃれを頑張る私に「似合ってるよ」「いいんじゃない」と言ってくれる人が身近にいます。そして、本当は買い物だけじゃなくて、お休みの日に一緒にデートできることがとても幸せなことなのかもしれません。
 自分のおこづかいを使ってもいいと言ってくれただんなさまに感謝。でもね、もうだんなさまの月30000円のおこづかいも、もう底をついているのですよ。明日はお得意様バーゲンの日。ネギをしょわずに、楽しいデートをしようと思います。